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きん色の窓とピーター

その窓は、夕やけの空のなかに、

まるで宝石をちりばめてつくったように、

美しく輝いていました。

きん色の窓とピーター 藤城清治
暮しの手帖社

まもなく日の入りの寒々とした冬の夕方、外を眺めていたら

遠くの建物の窓が炎のように赤く燃えていました。

火事かと驚いたのですが、少し離れた別の建物の窓も赤く染まっていて

瞬間、心温まる思い出が蘇りました。

私が幼い頃、母は雑誌 ‘暮しの手帖’を愛読していました。

母が買い物に出かけたある日、なにげなく手に取ってみたら

それは美しい藤城清治さんの影絵と、楽しい世界の民話が載っていました。

それから、私は時々こっそりと、夢中になって読みました。

なにも内緒にすることなどなかったのですが

自分の中でそっと大切にしておきたいことだったのかもしれません

ちいさな心に感じるなんとはなしの寂しさや不安 ―

子どもの時間に、’光’と’影’の美しい絵と美しいお話という

もうひとつの世界を持てたことはとても幸せだったと思います