殺人容疑 Snow Falling on Cedars

一切が終わったあと、 ー

なんの疚しさも感じずにお互いの目を見ることができるように

殺人容疑 デイヴィッド・グターソン
高儀進訳 講談社文庫

戦後、海に囲まれた閉鎖的な島で

ひとりの日系アメリカ人にかけられた殺人容疑

法廷が始まる頃に降りだした雪は、やがて猛吹雪となり

人々の心をより陰鬱なものにしていく

10年の歳月を経てもなお、復員した若者たちを苦しめる心の傷跡と、

かつての敵と同じ顔をしているがゆえに歪曲される事実と、

‘人間性の名において’の公正とはなにか

結審が近づき、被告の弁護人が語る言葉に心打たれます。

島を蔽うヒマラヤ杉の芳香、燦燦と降り注ぐ陽光を浴びた美しい苺畑

そこで懸命に働く誠実な人々の誇り ー

前に進めなかった10年という歳月をそっと癒すように…

Snow Falling on Cedars「ヒマラヤ杉に降る雪」(原題)、映画もお薦めです。

この宇宙には、われわれが左右することのできない事柄があります。しかし、われわれが左右することのできる事柄もあるのです。

殺人容疑 デイヴィッド・グターソン 高儀進訳 講談社文庫