宮本輝氏のデビュー作、芥川賞受賞作を含む「川三部作」の舞台は
昭和30年代、一面の焼野原から這い上がった大阪の街
ミナミの繁華街のすさまじい喧騒の夜、
光放つネオンを映す混濁した泥の川
明け方の街の静けさ、押し寄せる理由のない淋しさと
出逢いと、別れと、温もりと、
縫うように流れる川と橋、ネオン煌めくその街で
生きる人々の光と影
光あるがゆえの影の美しさと哀しみが、これほどまでに強烈な光を放つ作品に
出会ったことはありません。
今年もまた、蛍を見逃してしまいましたが、
真っ黒な川に光る、緑色の光の糸のゆらめきは、瞼に焼き付いています。