おいしいごはんが食べられますように

洗わないで放置した鍋の中の

濁った水みたいな胸の内

おいしいごはんが食べられますように
高瀬隼子 講談社 第167回芥川賞受賞

みんなで仲良く、助け合って、

お互いさまなのだから

そこに、生じる少しの不均衡

だれも悪くないはずなのに

心の底で湧き上がるモヤモヤ

それぞれが持つ”仕事のあり方の正解”

それぞれの正しさ、それぞれのルール

自分の好きなことやりたいこと、と

できること、しなければいけないこと、との間で

ざわつく気持ちを抱えながら

生きていく

自分のまわりの、この小さな世界を生きていく

正しいか正しくないかの勝負に見せかけた、強いか弱いかを比べる戦いだった。当然、弱い方が勝った。

おいしいごはんが食べられますように 高瀬隼子 講談社