秋だったのでしょう、ぶどうの実がじゅくしていたのですから。

一ふさのぶどう 有島武郎 偕成社

色とりどりのぶどうがお店に並ぶ秋の季節になると、

このうつくしいお話しを手にとりたくなります。

絵をかくことがすきなぼくは、通っていた学校のある横浜の

そのまっさおな海やうつくしい船を描くためにどうしてもほしかった2色の絵の具を

ある日、友達の机の中からとってしまって…

後悔で泣きじゃくる少年のひざのうえに

だいすきな先生の、まっ白い手がそっとのせてくれたものとは ー

胸がいたむほどこがれた、すきとおるような海のあい色と

帆船にぬられたあざやかな洋紅色

澄みきった秋の空、本をとじて、まぶたをとじて

やさしく頬をなでる風をかんじて ☆*::