どういう状態を「正常」と呼ぶかは、時代が変われば違ってくる。

ペンギンの憂鬱 アンドレイ・クルコフ
沼野恭子訳 新潮社

物語の舞台はウクライナの首都キエフ(キーウ)

売れない作家と、動物園から貰い受けたペンギンのミーシャと

手に入れかけた「普通の家族」のようなささやかな生活は

やがて奇怪な出来事に脅かされていく

非日常が日常になってゆく怖ろしさ

それと気付かぬうちに ー 生き残るために

ウクライナの作家クルコフが、ロシア語で書いたこの物語は

ソ連崩壊後の1996年に出版されたのですが、

当時の混乱した背景は、既視感を覚えます。

今日読んだ小説の続きを同じ部屋で明日読めることは幸せなことだと実感する。
それが平和ということなのかもしれない。   2022年8月26日 朝日新聞朝刊 多和田葉子氏

何気ない日々の生活、ささやかな幸せこそが

平和なのだと実感します。

ミーシャ🐧の愛らしさに救われます。

穏やかな春の日に、驚くほど平穏なニュースばかりが並んでいるというのが素晴らしく感じられた。銃撃もスキャンダルもいっさいない。

ペンギンの憂鬱 アンドレイ・クルコフ 沼野恭子訳 新潮社