瀬戸内の島を舞台に夕凪の美しい海に瞬く星ひとつ
小さな島で生きる高校生の彼女と彼のあまりに小さな日常の物語
読み始めてすぐ苦しくなりそうで不安ながらも、
いつしか祈るような気持ちで読み終えていた
感情移入したわけではなく、たぶん共感でもない
ただ、彼らのその先の日々がどうか心穏やかでありますように、と
二人のその時々の選択と判断は時にもどかしい
けれども、作者は、否定も、肯定もしない
正しくても、正しくなくても、誰もが苦しみあえぎ決めたその選択が
自分と自分の大切な人の心を守れればそれでいいのだ、と
生まれるとき、人にはそれぞれ与えられるものがある。
それは輝く宝石であったり、足首にはめられた鉛の球だったりする。
誰もが何かしら背負うものがあり、何かしら胸の奥に光る石を秘めているー
昼と夜のあわいの中で瞬く星に一日の終わりを重ねて惜しむのか、もうすぐ訪れる夜を待ち遠しく想うのか。
汝、星のごとく 凪良ゆう 講談社


