汝、星のごとく

空を見上げると、日の暮れた西の空にぽつりと星

汝、星のごとく
凪良ゆう 講談社

今年の秋に映画化されるというので

その前に原作を読んでみたいと思い手に取りました

瀬戸内の島を舞台に夕凪の美しい海に瞬く星ひとつ

小さな島で生きる高校生の彼女と彼のあまりに小さな日常の物語

読み始めてすぐ苦しくなりそうで不安ながらも、

いつしか祈るような気持ちで読み終えていた

感情移入したわけではなく、たぶん共感でもない

ただ、彼らのその先の日々がどうか心穏やかでありますように、と

二人のその時々の選択と判断は時にもどかしい

けれども、作者は、否定も、肯定もしない

正しくても、正しくなくても、誰もが苦しみあえぎ決めたその選択が

自分と自分の大切な人の心を守れればそれでいいのだ、と

生まれるとき、人にはそれぞれ与えられるものがある。
それは輝く宝石であったり、足首にはめられた鉛の球だったりする。

誰もが何かしら背負うものがあり、何かしら胸の奥に光る石を秘めているー

昼と夜のあわいの中で瞬く星に一日の終わりを重ねて惜しむのか、もうすぐ訪れる夜を待ち遠しく想うのか。

汝、星のごとく 凪良ゆう 講談社